ママハピは多くのママと繋がりをもつ団体として、スポットの当たりにくい社会問題にも目を向け、わかりやすく発信していきたいと考えています。
今回は「児童養護施設」について取り上げます。
児童養護施設とは、保護者の離婚・死別した子ども、虐待等をされている子どもなど、環境上養護を要する児童を養護し、自立をお手伝いしている施設です。児童相談所長の判断に基づいて、都道府県知事が入所措置を決定する児童福祉施設となっています。
恩寵園(千葉県船橋市)の本間施設長にお話を伺いました。
スタッフが訪問した際はちょうど幼児たちが帰ってくる時間。明るく元気な姿が見られ、これからボランティアさんがきて英語を教えてくれるという時でした。思っていた以上に
とても広くて充実している施設でした。
Q. 恩寵園にはどんな施設でどんな子どもたちがいるのでしょうか?
2歳~17歳(幼児10人、小学生以上の男女60人)の計70人が通っています。その多くは親の離婚・死別・虐待などにより傷ついた子どもたちでさまざまな背景を抱えています。「子どもたち一人ひとりの自立をめざして」を基本理念に明るい未来につながるよう約30人の職員が支えています。
昭和21年(1946年)に戦災孤児6名を引き取って開設したのが始まりで昭和27年に社会福祉法人として認可され定員70名となりました。60年以上のなかで700人を超える子どもたちを育てたなかで、虐待事件が起きてしまった哀しい時期がありましたが、職員が総入れ替えされ、平成15年には新園舎が竣工し、生まれ変わって新しい歴史を歩んでいます。
Q. 子どもたちの1日の過ごし方は?
子どもたちは5つのグループに分かれて生活しています。
6:00 各自起床開始
6:30~7:30 朝食
7:00 高校生など順次登校
7:45 中学生登校
8:00 小学生登校
9:00 幼稚園登園
12:00 昼食
13:30 幼稚園お迎え
15:30 小学生など順次下校
17:00 各自入浴開始
17:30 夕食配膳、18:00 夕食
20:00 入浴終了
21:00 各自就寝開始
22:00 消灯
※土日祝日などは起床・朝食が1時間遅くなります。
Q. ママたちに伝えたい施設にお世話にならない予防策と思うことは?
ここにお世話にならないことが一番いいことだと思っていますが、やはり親子の「ふれあい」はとても大事です。私はベビーマッサージ講師でもありおもちゃコーディネーターでもあり、公共施設で子育て支援をお手伝いするなかでママたちに触れ合いやマッサージの大切さも伝えています。
親子の接触が減っている傾向に感じていますが、やはりベビーマッサージ講座などに出てきてくださるママは安心です。家から出てこれず子どもとだけこもって落ち込んでいるママさんを見かけたら、ぜひそういう場に出て人とのつながりや情報に触れるよう声をかけてあげてほしいです。
あとはネットが発達して情報に振り回されないでうまく付き合って欲しいですね。完璧主義はやめてもっと肩の力を抜いていいと思います。子育てってみんなイライラするし意思疎通もできずストレスもおきますが、「子どもってそんなもん」「小さいときからうまくいくわけない」っていう認識でいたらいいんじゃないでしょうか。
Q. 運営して課題は何ですか?
やはり人で不足です。以前は1人で6人をみていたのが1人で4人になってきてはいますが、色々な子どもがいます。主張が強い子はいいですが、サインが弱い子を見逃さないいようにしてあげたいですね。
あとはどう自立後に仕事を長続きしてもらえるかです。工場に勤務したり調理師になったり保育士を目指したり・・・色々な道を選んでいて、しばらくは訪問フォローもしています。仕事をしっかり継続して続けられるようどう支援していくかは大切ですね。
女の子も、資格を持って男女共同参画に参加して生きてほしいです。
安心できる居場所づくりと自立支援に対するあたたかい想いを感じました。
里親登録者のご家庭にいって家庭的生活の体験などもおこなっているそう。
本間施設長、ありがとうございました!!
☆恩寵園
住所:千葉県船橋市薬円台4-6-2
TEL:047-466-4020
採用情報はこちら http://www.onchoen.or.jp/publics/index/8/
ママハピ事務局/2016年11月28日