フィンランドの長期・総合的な育児支援インフラ「ネウボラ」って知っていますか?
男女共同参画の先進国で、女性のほとんどがフルタイムで働いているのに
合計特殊出生率は約1.8と高水準のフィンランド。
フィンランドには、どの自治体にも「ネウボラ」という子育て支援施設があります。
(ネウボラ=アドバイス(neuvo)の場という意味)
元々は赤ちゃんの死亡率が高かった時代に民間有志で小さく始まった活動が
20年以上経って国の制度として認められたそうです。
ネウボラは、妊娠から出産、その後就学前まで切れ目なく包み込むようなサポート
を提供する総合的な支援サービスです。
ネウボラの健診は無料で、特別な教育を受けている助産師や保健師などもいます。
心のケアも含めて話を聞いたりアドバイスをしてくれる場所で、妊娠がわかったらネウボラにいく。
同じ担当(通称ネウボラおばさん)が育児から家族全体の心身の健康を継続的に支援
してくれるので、お母さんもホッとできる場所になっているようです。
フィンランドでは出産すると政府から全員に無償で出産祝い(現金支給、または育児
パッケージから選べる)が送られてくるそう。多くの人が選ぶ育児パッケージには、衣類、
オムツ、布団やバスタオル、歯ブラシ、爪切りハサミ、避妊具など約50点が入っていて、
親の声や時代の流れを反映し、中身は少しずつ改良されているものです。
楽しく幸せな側面があると同時にとても大変なこともある子育て。
親の支援も含めて「生まれてくれてありがとう」とフィンランドは国として赤ちゃんを歓迎する姿勢が、親たちに安心を提供していることにもつながっているんですね。
この切れ目ない出産前から続く支援があることで、親の離婚や別居などで子どもに
影響がでないような支援になります。(フィンランドは初婚カップルの約3分の1以上が
5年後には別離・離婚しているという調査結果もあるとのこと)
フィンランドでは国公立は大学まで無料で通うことができますが、親の状況で子どもの
教育格差や人生選択が左右されないような支援につながるのですね。
日本は母親の孤独・孤立もよく話題にあがりますが、
フィンランドはネウボラの存在があることでフィンランドではそういう問題が起こりにくいそうです。
ネウボラ日本版は、三重県の名張市や千葉県浦安市など、全国の市町村でも始まっています。
良いところを取り入れた包括的支援が、
日本の子育てをとりまく社会問題の解決に繋がってほしいと感じます。
(ママハピ事務局 17年2月7日)