ママハピ

幸せな自立/自律のために知っておきたい、わが子に合った学びとは!?

ルバートNEWS取材!今回のテーマは「不確実な時代に考えたい教育」です。

子どもにどんな教育を提供すべきか、親としては悩むところ。1000人以上のお子さん・ご家庭と接してきた教育者であるマインドフルラーニングの高橋有希子さんに、子育てのゴールとは?!強みを伸ばす「自分らしい学び方」とは!?についてお話を伺いました。

 

【ママハピ事務局・谷平(以下、事務局)】
高橋さんのこれまでのご経歴について教えてください。

 

【マインドフルラーニング・高橋有希子氏(以下、敬称略)】
父の転勤で、10代にオーストラリアで6年半過ごしました。例えば授業で映画をみて英語を学ぶ際にも、寝転がって好きな格好で自由に観ていいよ、というスタイルだったりとびっくりすることが多かったのですが、日本と違う学習スタイルに刺激を受けました。
また、英語力がないまま高校から行ったので苦労しただけに、評価・判断せずにただ話をきいてくれる大人がいたらなぁと感じたことは今のコーチング支援をする原点となっています。

その後、日本で就職した金融機関で総合職に勤務した際に受けた2か月の研修では、個人より組織に染める教育というものを感じ、「多様な学び」の原点になっています。
2000年には顧客の社長に誘われ、インターハイスクールの立ち上げに関わりました。ワシントン州の高校卒業資格が取れるオンラインインターナショナルスクールです。

【事務局】その後、3人のお子さんとアメリカに帯同されたということですね。

 

【高橋】親が「不登校」という言葉を使わず「動き回りたいタイプの我が子はホームスクールの方が子どもが伸びる」という話をしている日常に、日本の教育にも学校以外での学びの選択肢が絶対に必要だ!と再認識しました。
帰国後、2009年4月に東京インターハイスクール(通信制)の共同創業者としてプロジェクト型の学習や評価方法を推進し、学習スタイルとコーチングを通して子どもの気質や学び方に合せた生徒のサポート、保護者対応や学習コーチ育成にも携わってきました。インターネットがダイアルアップの時代から学校以外の場で才能や強みを発揮する、多様な学びについて関わっています。

 

【事務局】時代の変化にあわせて教育も変化していく必要性が叫ばれていますが、高橋さんは20年前から多様な教育や様々な家庭に関わってきてどのようにお考えですか?

 

【高橋】子育て・人育てのゴールは幸せな自立/自律をした大人にすることだと考えています。また、子ども1人1人を伸ばす教育や学習スタイルには選択肢がもっと日本にも必要です。
情報化社会を生きる子どもたちにとって、学校の学び方が必ずしも「正解」でない時代がきています。
枠にはめないで個性を伸ばす「個別最適」なアプローチが必要ですね。

 

【事務局】例えばモンテッソーリだったり、国際バカロレアなど様々な教育メソッドについてキーワードをきくようになりました。

 

 

【高橋】あくまで教育メソッドの種類であってどれが優れている、ということではなく、その子にあった学習スタイルがそれぞれある。流行りのメソッドに飛びつくのではなく、本当にその子をみているか?合っているか?が一番大事です。

例えばサドベリーは「子どもの自主性を尊重する」を究極的に尊重している教育です。自主性以外のアドバイスや教えるという要素が欲しいご家庭には向いていません。

バカロレアが掲げるのは「全人教育」で思考力、表現力に重点を置いています。そして学力のみならず、人間力の幅広い知識と教養を身に着けることを目標としています。
プログラムは年齢に応じて3つに分かれていますPYP (Primary Years Program) 3-12日本でいう幼稚園、小学校、MYP(Middle Years Program)11-16中学校、DP(Diploma Program)16-19高校です。

国際バカロレアといういま日本の成長戦略2021において、国際バカロレア認定校を2022年度までに200校以上とする目標を掲げています。
国際的に通用する大学入学資格でもともと、国をまたいだ転勤の多い外交官、国際機関員などの子女が世界統一の学力、試験で大学に入学をするために作られた教育メソッドです。

学習者像を明確にして、子どもの心の在り方や最終目標を探究を通して学びます。成長、心、スキル、知識、いろんな手段を模索するプロセスがIBそのものですが、高校年代のDPになるとより、探究や体験を通して学ぶ比重から大学入学を意識したカリキュラムとなります。
モンテッソーリは社会と同じ縦割り型で学び、プロジェクトベースで探求していきます。手を動かす教材も多いですね。

 

【事務局】色々なアプローチがあるんですね。個別最適教育で探求プロセスも大事にするという点は似ていますし、不確実な時代に合っている気がします。

 

【高橋】20年前から関わっていますが、こういう学びを受けている子は社会に出ても自分で問題解決ができるので「大丈夫」、と感じます。社会は予想不可能なことだらけ。コロナもそうですが、誰も予想しておらず誰も正解がわからない。課題を設定して、自分の力で調べたり周りを巻き込んで考え行動していく力は将来の力になります。

 

選択肢は少しずつ広がっています。
例えば通信制のインフィニティ国際学院。旅をしながら学び合い、英語力と高校卒業資格も習得しながらグローバルなキャリア形成に向けた学びができます。
私が関わっているインターナショナルスクールオブ長野は、22年4月から県認可校になる国際バカロレア認定校ですが、少人数制の手厚いサポートで英語力が不十分な小学生なども途中編入でのチャレンジも可能です。

 

【事務局】そんな選択肢が広がっているなんて知りませんでした。日本の伝統的システムが合わない子が増えているので、インターやこういった先進的な学校なども自治体の補助が出てもっと幅広い人が選択しやすくなるといいですよね。

子どもに合う・合わないをしっかり見るというのはなかなか難しいと思いますがどんなポイントを意識したらいいでしょう?

【高橋】手放しに放っておいてもやること、楽しそうにすることを観察し、伸ばしてあげてください。「ゲームしかやらない」なんて時期も、人と関わるゲームなのか、モノづくりのゲームなのか?など個性が出ます。

いい学校、いい企業に入るということは親として安心です。私も親なので気持ちはわかります。でも、この「いい学校・会社に入るのがいい」、という想いを手放せて初めて本当にその子自身をみられます
この子が幸せになる道は?この子に合っているところは?をぜひ見ながら親御さん自身も色々と学んでみてください。

 

【事務局】子育てするママ(パパ)さんたちにメッセージをお願いします。

 

【高橋】まず、子どもって、お母さん(親)が楽しそう、ニコニコして幸せそうなのが一番安心します。日本は女性に負担がかかりすぎで、女性たちは十分頑張っています。だから自分に優しくしてあげる時間やお金はぜひとってほしいです。

それからお子さんを目先ではなく、どんな子に育ってほしいか?先を考えてみてください。
目先だけでこれができない、あれができない、ということではなく、20歳になったときにどうなっていたら子育てが成功だと思えるのか?
私は幸せに自立/自律することが目標だと思っていますので、ぜひ中長期で考えてみてください。

最後に、子どものタイプが自分と違うタイプである場合にやり方や価値観を押し付けないこと。そのためには親が自分のタイプを認識していないといけません。学習スタイル診断やなどぜひ活用してみてください。どうしたら子どもは集中できるのか、どんな言葉や働きかけでやる気が出るのか?ぜひお子さんをよくみて、あたたかくサポートしてあげてください。

 

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高橋有希子

早稲田大学教育学部社会学科卒業。10代でオーストラリアに6年半在住。 英語が全く通じないことから「マイノリティ」という経験をして不登校気味となり、コーチ的な関わりをする大人の存在の必要性を痛感。 現地の「型にはまらない多様な学び方」にも衝撃を受ける。

大学卒業後に証券会社総合職を経て、米国通信制高校アットマークインターハイスクール(現東京インターハイスクール)の立ち上げ準備に関わった後、 子ども3人と共に夫の転勤でアメリカに帯同。駐在中はボランティアとして小学校の運営や学習サポートに携わる。

親が「不登校」という言葉を使わず「ホームスクールの方が子どもが伸びる」という話をしている日常に、日本の教育にも学校以外での学びの選択肢が必要だと再認識する。
帰国後、2009年4月に東京インターハイスクール(通信制)の共同創業者としてプロジェクト型の学習や評価方法を推進し、 学習スタイルとコーチングを通して子どもの気質や学び方に合せた生徒のサポートを行う。 保護者対応や学習コーチ育成にも携わり、9年間でコーチ20名超、生徒100名超の学校にした。

2018年に子どもから大人までの幅広い年齢層に学習スタイル診断とコーチングメソッドを広めるために独立。現在に至る。
学習スタイル診断の詳細は以下で確認ができます。
https://mindfulkosodate.com/self-portrait/