ママハピは創業より約5年半、多くの子育て女性(会員13000人)や企業にご縁を頂きました。
代表・谷平自身も愛する2人の子どもに幸せはたくさんもらいながらも、
「孤育て」と「待機児童」を経験したほか、女性は仕組み・文化を変えねば
ライフスタイルにあわせしなやかに変化し続けるのは難しそうだ、と感じてきました。
そんな中で、ママハピ・谷平が感じた課題感と「こんな社会にしたい!」の提言を
まとめてみました。
1.子育て女性の呪縛意識について
子育てに正解はないですし、そのご家庭みんなが幸せであればよし!
というのは前提ですが、幸せが多様化していることに対応できる世の中に
したいという想いがあります。
専業主婦世帯より共働き世帯が多いいま、
高度成長期や人口が増えていた時代には合っていた家庭と社会の仕組み
が成り立たなくなりつつあります。
それに伴い子育て観も、二極化しつつあるように感じています。
「家事育児は全て女性がやるもの」
「働く=お金に困っている人だけがやること」
「保育園はかわいそう」
と思い込んでしまう、または昔の日本の価値観の呪縛にとらわれて悩む
ママさんに多く出会いました。(親世代は悪気なく自分の時代にはよかった
価値観を子どもに教えたいということでプレッシャーも多いよう)
時代に制度が追いついておらず、行政の仕組み・制度・インフラも
女性が家庭を支えていた時代のままな部分がまだまだあります。
私自身も、自分が頑張ろうと疲弊してしまってパンクした時期もありました。
女性やシニア・外国人まで労働力に求められている時代、
そして、当たり前に学やキャリアを積んで自立している女性がかなり増え、
「家事育児はみんなでシェア(アウトソース含む)」
「やりたいこと実現や人生設計のなかで女性も働くのが当たり前」
「保育園の先生やお友達からもらえる良い側面」
を当然ととらえる文化が広がりました。より広くこれが根付いていくことで、
女性の社会から受ける罪悪感が減り、働きやすさに繋がると感じています。
2.みんなで家事育児を支え合う仕組み
ママの社会進出に、周りを頼ることが欠かせません。
パパの「家庭進出と当たり前のシェア意識」もまずは大切です。
「うちの旦那さんは遅いので手伝えないので私がやるしか・・」
「期待してけんかするのはお互い疲れるので諦めています」
というお悩みの声をたくさん聞きました。
産後クライシスなんていう言葉もありますね。(フランスでも扶養制度を
撤廃して女性社会進出を進めた直後の一時期は離婚が増えたとききました)
パパさんもやりたいけれど早く帰れない。何をどうしたらいいのか
わからない。(家事のやり方が違うと怒られる)などのお声もあります。
パパさんを楽しく巻き込んで「たまに手伝う」から「一緒に分担する」
になってもらうために、1.の女性自身の意識だけでなく
企業と社会の仕組みを早く変えていったうえで、
家庭ごとにあった話し合いが必要になるのだと思います。
さらに、どう頑張っても家庭内だけでは特にお互い働いていたら分担
にも無理がある。というわけで、頼れる近所のママ友のネットワークが
欠かせないほか、気軽に利用できるお安いシッターや家事代行はとても助かります。
いわゆる「チーム育児」です。
この議論なしに、ただ待機児童を解消して働きましょうね、といっても
女性にしわ寄せがいって疲弊するだけ。
子育て体制づくりの網をはりまくる必要があり、頼れる選択肢は
多ければ多いほど子育てと仕事どちらもハッピーです。
3.働き方改革と女性活用の仕組み
様々な成功事例は増えてきましたが、実態はまだまだ誤解が多いことを
含めて、進んでいない働き方改革。
残って仕事を頑張りたい人はいくらでも頑張れる、家庭を優先
したい時期の人は罪悪感なく帰れる、というそれぞれへの配慮が欲しいと
感じています。
私たちも「ウーマンエンパワー賛同企業」という女性活躍を当たり前にする
賛同企業同盟の取り組みをしていますが、2.のためには企業と社会の
制度だけでは意味がなく、文化も含めて変えていく必要性を感じます。
業界や職種など個社事情もあるので一律には語りにくいですが、
企業に助成金や支援金を出すことに行政の予算をもっと
充てると、女性活躍は進むのではないかと感じています。
上記取り組みの企業アンケートでは、助成があればもっと女性を活用しやすい
という声が読み取れますが、実は「予算がない」ことにより、結果的に
子育て女性は雇用しづらい、というお声は多いのです。
例えば、会社都合での勤務や少しの残業でも、延長料金は個人には負担。
かわりにシッター代補助だったり、病気の際に抜けられない仕事のための
病児保育代の補助などを企業側に助成すると、企業も気持ちよく女性を
活用できます。
その他、例えば、16時までの時短社員を活用しても、残りの時間を埋める
社員を雇う予算などがあれば、子育て女性を活かそうと工夫する経営者が
増えるかもしれません。
仕組みを変えるのは企業にとっても負担。だからこそ文化が追いつくまで
まずは上記に予算を充てることで、制約ある人材を雇用できる仕組みの
法人の後押しがとてもよいと思うのです。
4.無理に保育園を増やすより代替え案と補助を
小規模保育園はまだ数を増やしやすいと思いますが、通常の要件を
満たす保育園設立と、不足している保育士は、質を担保しながら急増
させるのが難しい。質をおきざりに、無理に保育士数だけ増やしても、
親側も心配です。
少子高齢化で保育園もいつか介護施設になることなども考えていかな
ければいけません。
やはり、保育園に限らない、安全・安心な託児の仕組みの考え方は必要
だと感じてきました。
「認可保育園じゃなきゃ絶対ダメ」という考えに縛られる必要はないのかなと。
あえて無認可にして質の高い教育を提供している園もあれば、
質の高いシッターサービスも出てきています。
認可・無認可というくくりではなく、
どんなサービスでも「人による」「園による」のだと思います。
待機児童の期間に認可外やシッターサービスでやりくりするワーママ
をたくさん見てきました。あの時期があったから今があると「投資」
ととらえているママは多いですが、認可保育園に入れないで出る自己
出費は多大。足が出る金額にぜひ予算を充てて欲しいと思います。
5.多様な働き方に対応した社会保障や仕組み
新卒入社・正社員、という以前の固定化された雇用形態が多様化して、
フリーランスや経営者も増えました。
既存の枠組みでは対応しきれていない社会保障・法制度などの整備が
必要になっています。
▼参考:谷平も呼びかけ人になっています
フリーランスや経営者も妊娠・出産・育児しながら働き続けられる社会の実現を応援してください!
ただ不満を言っているだけでは変わりませんので、
引き続きママハピでも、発信や行政への情報提供などしていきたいと思います。
ぜひ応援・ご指導をどうぞよろしくお願いします!
2018年2月