ワーキングマザーはつい一人で抱えがちだが、地域の助け合いが働きやすさに直結する。
そんななか、地域ごとに、働くママ・共働き家庭を支援するワーキングマザーの会が増えている。
ワーママ団体の全国ネットワークを繋げ支援しようという取り組みとして、
キックオフの講演・交流会が2/24(土)都内・青山で開催された。
主催・代表の高橋奈緒子氏/船橋ワーキングマザーの会代表↑
「同じ想いや悩みを共有することで肩の力を抜いてまた頑張れる。全国を繋ぐネットワーク
をつくり働くママ・共働き家庭の居所となるコミュニティを支援しインフラ化を目指す。」
快適な働くママライフに重要な「チーム育児」とは!?
支援団体の活動継続のポイントとは!?を取材した。
『育児は仕事の役に立つ』(光文社)著者の浜屋祐子氏によると、男女400名
アンケートにて、育児経験は仕事上の能力向上につながっているという調査結果が出た。
仕事と育児のポジティブな関係をつくりたいと大学院で研究を進めた同氏は、
仕事と家庭が互いにプラスの影響を与える「ワーク・ファミリー・エンリッチメント」を推進。
育児の体制づくりそのものが、リーダーシップ行動の変化に繋がり、人格的発達
にもプラスの効果があるという分析結果になったという。
・協働の計画と実践
・育児情報共有
・家庭外との連携
・育児の実行
・現場での発達的挑戦
という育児体制づくりそのものが仕事力向上になっている。
PTAや父母会などの活動に参加してみると、バックグラウンドや文脈も違う
多くの人と関わることとなり、理解の幅が広がる。それが仕事にも生きる。
さらに、「他人に助けを求めるのはいいことだ」という意識をもつワーママ
は育児体制構築がうまくできている傾向。
一人で抱え込み情報はWEBサイトで、という「点」から
夫婦でタッグを組む「線」へ。さらに
緊急時に助け合える近所の人などチームを拡げるという「面」で考えるのが重要だ。
浜屋氏自身も、「続けるか辞めるか」ではなく、「続けることを前提にいっぱい
網をはる方向に舵を切ろう」という女性経営者のブログに救われたという。
夫婦1.0思考の「抱え込み、べき論、罪悪感」ではなく、
夫婦2.0思考は「頼り上手、自分基準、WINWINで考える」
がポイントだ。
そんなチーム育児がポイントのワーキングマザーのコミュニティとして
各地で増えるワーママ会。どうしても運営資金や仲間集めなどの課題に
悩みやすい。
コミュニティ活動を支援する特定非営利活動法人CRファクトリーの
呉 哲煥氏によると、「ボランタリーな要素が強いからこそ、この人たちと
だから頑張れる、楽しいから頑張ろうと思える」という愛着・関係性が大事だという。
全国にNPO法人は51802団体(17年12月時点)、法人格でないものを含めると50万とも
100万ともいわれている数の団体がある。
人生100年時代、ライフシフト、などの言葉がよく聞かれるが、2025年の未来には
「時間に追われて忙しい」「孤独・孤立になりやすい」という予想がされている。
そんななか有形資産だけではなく、家族や友人・人脈、知識・スキル、健康・幸福感
といった無形資産がどれだけもてるかが、生きる上で大切になってくる。
コミュニティ活動では、お金で買えない価値が得られる。
成長・スキルアップ、社会課題解決に関わる喜び、やりがい・生きがい、仲間・居場所
などである。
その活動の魅力や価値を再度認識し、
1人で頑張りすぎず自分が1番の顧客となって自分が楽しみ充足感を得ながら運営
することも継続の秘訣だという。
また、自動的に運営される仕組みになるよう、年間計画やマニュアル整備、各種
フォーマットを用意するなどもポイントだ。
自分たちの子どもが大きくなるとフェードアウトしやすいといわれるママ団体。
地域に必要とされる存在として、長く継続され、引き継がれる活動が増えていくこと
を望みたい。と同時に、各地域でワーママ会や支援活動がなくても、地域全体が
助け合い社会となっていくことが理想なのだろうと感じた。
▼各団体の紹介PRや交流会の様子。各エリアからZoomによるWEB参加もあった。
<加盟団体は18年1月で15団体。希望団体はFacebookやLINE@で検索・ご連絡を>
2018年2月